よくある疑問
建築施工管理技士と建築士の違い
施工管理技士の1つである建築施工管理技士は、業務内容の一部が同じことから建築士と混同されがちです。
そもそも、建築施工管理技士と建築士はどちらも国家資格でありますが、業務の目的と役割が異なってきます。
まず、建築施工管理技士の業務は、建築工事現場で工事の指揮・監督を行い、設計通りに工事が行われているかを施工管理することが主な仕事となります。
いっぽう、建築士は、建築の設計・監理者として建物の設計、建築設備設計などに特化した仕事を行います。
このように、両者は建築分野で高度な知識と技術を持つプロフェッショナルとして活躍する点では同じですが、仕事内容は違ってきます。
管理士技術者として業務が可能な範囲
1級建築施工管理技士 | 一級建築士 | |
---|---|---|
建築 | ○ | ○ |
大工 | ○ | ○ |
左官 | ○ | × |
とび大工 | ○ | × |
石工事 | ○ | × |
屋根工事 | ○ | ○ |
タイルレンガブロック工事 | ○ | ○ |
鋼構造物 | ○ | ○ |
鉄筋工事 | ○ | × |
板金工事 | ○ | × |
ガラス工事 | ○ | × |
塗装工事 | ○ | × |
防水工事 | ○ | × |
内装仕上工事 | ○ | ○ |
熱絶縁工事 | ○ | × |
建具工事 | ○ | × |
1級建築施工管理技士は、施工過程における施工計画、行程管理、品質管理、安全管理に重点を置く建築エンジニアとして、一級建築士は設計監理の専門家として区別されるため、監理技術者として業務が可能な職種でも違いが出ています。
難易度は違う?
建築施工管理技士と建築士は、両方とも国会資格ですが、試験の形式や難易度は異なってきます。
1級建築施工管理技士試験および一級建築試験とも合格率10%台と高い難易度を誇る試験なうえ、両者とも一定期間の実務経験がないと受験資格が与えられません。
ただし、一級建築士のほうが学習量も多く難易度は高いため、1級建築施工管理技士の学科試験が免除され、実地試験のみで取得可能となっています。
施工管理士の資格試験は、施工分野に限定されていますが、建築士の試験範囲は施工だけでなく、計画・法規・構造・設備と多岐に渡っていることも理由の1つでしょう。
大手建設会社で施工管理を行っている社員の多くは、1級施工管理技士の資格は持っていますが、1級建築士となるとその数は少数のようです。